「江東区かるた、完成しました!」

鍼灸師 富永 純枝

江東区かるた

 構想4年、製作3年の年月をかけて『江東区かるた 遊ゆうカフェ版』がついにできあがりました。コロナ禍で一時はカフェの存続自体も危ぶまれましたが、細々と活動を続け満を持しての完成です。

 遊ゆうカフェは認知症の方やそのご家族が集い、気軽に話し合える場をひまわり診療所でも提供したいという主旨で7年前から開催している集まりです。看護師の川崎さんやMSWの高山さん達によるその立ち上げの段階から、いずれ江東区にまつわるかるたを自分たちで手作りして、お正月にはみんなで楽しもうという案がありました。高山さんが神保町の奥野かるた店で白紙のかるたセットを探してきてくれたものの、長い間手つかずにいました。

 カフェでは色々なプログラムをしています。ボランティアスタッフによる体と脳に働きかける体操や音楽療法、卓球やゲーム、そしてお茶をしながらおしゃべりと盛りだくさんです。月に一度の開催のため、なかなかかるたを作るところまで手が回りませんでしたが3年ほど前からそろそろ本腰を入れて作り始めようということになりました。

 まずは読み札作りです。江東区の旧所名跡や名物をたくさん挙げていくため意見を出し合い、ネットの情報も取り入れてどうにか50個ほど集まりました。江東区に住んでいるのに初めて聞く場所や由来もあって勉強になります。そこから、あいうえお順になるようにそのお題に合った読み札の文句を考えていくのが一苦労。みんなで知恵を振り絞り、推敲を重ねてやっと44枚の読み札の句ができあがりました。

 例をあげると、

丸あ あんこたっぷり 砂町ナカヤのアンパン

丸め 明治丸係留される 海洋大学

 などなど。

 次は絵札です。下絵は絵の上手な知人にお願いして、色塗りだけはみんなでやろうということになりました。何回かに分けて塗り絵と読み札の字を書く作業をしましたが、作業中はシーンとして皆さん真剣そのもの。塗り絵など集中することは脳の活性化にもつながるそうです。

 こうして構想から7年の月日を経て、ようやく2025年12月にすべての札が完成しました。みんなで作り上げた唯一無二のかるたです。一枚一枚味わい深く愛着が湧きます。2026年の年明け最初のカフェはかるた大会で盛り上がる予定です。